顧客満足(CS)の定義

1.顧客満足の定義

顧客満足は、お客さまがサービスを受ける前に抱いている事前期待を、サービスを受けた後の実績評価が上回った時に得られます。これをわかりやすく書くと

*顧客満足 = 実績評価 ー 事前期待

これは、顧客が商品・サービスを利用する前に持っている「事前期待」を利用後に感じる「実績評価」が超えたときだけ、満足が得られるという構造です。つまり顧客満足というものは絶対値ではなく、事前期待と実績評価の差という相対値であると言うことになります。

顧客には商品やサービス利用前に期待している「事前期待」と言うものがあって、それに対して使用後の実績評価が大きいとその顧客は大満足となります。

具体的には出張先でたまたま利用した格安ホテルが清潔で、対応が柔軟で、料理は地元の素材を使った思いもよらないおいしさだった時、「意外に良いホテルを発見した」「また来よう」「同僚にも進めよう」と思うといった具合です。

この場合、ホテルを利用する前の事前期待が小さかったのに対して、実際利用してみたら予想以上のサービスで実績評価が事前期待を上回ったため、満足感を感じたということです。

そしてこの「事前期待を超える実績評価」を繰り返し、満足感を提供し続けることでリピート顧客化していきます。

 

2.満足度向上を目指す時に必要な2つのポイント

顧客の満足度を向上させるには、2つの重要なポイントが有ります。
1、不満を解消する事で失点をなくす活動
2、真の満足を追求する事で、得点を増やす

この2つのポイントは、負けないための施策、と勝つための施策に分かれていきます。

まず、初めには何と言っても、不満を解消する、失点をなくす事が最初です。これが出来ないと話になりません。

失点をなくす努力としては、お客さまを怒らせないことを重視したもので、マニュアルの活用やマナー教育がその代表例です。

また、真の満足をを得る事で得点を増やすには、お客さまの期待に応えたり、思いもよらないサービスを提供したりして、大満足や感動をして頂こうと言うものです。

 

3.満足度の評価と、お客さまの意識、行動の関係

お客さまの評価を4段階に分けて「大満足」「やや満足」「やや不満」「不満」に分けて考えてみると

「大満足」とは、お客さまの意識としては、期待以上の満足を抱いている状態であり、それによって、お客さまの行動も、継続的、優先的に利用されます。

「やや満足」とは、大きな不満もなく、ほぼ期待通りの状態ですが、他が魅力的なら離れて行きます。

「やや不満」とは不満足な所があり、改善を期待している状態であり、改善姿勢が見られなければ、離れて行きます。

「不満」とは、大きな不満があり、早急に改善しなければ離れて行く状態だと思われます。

ここで気付く事は、CS改善活動に取り組み出して、1年、2年と立って行くと確実にお客さまの満足度は上がっているにも関わらず、成果が見えてこない事です。

アンケートを取っても「やや満足」と答えてくれるお客さまが7割を超えて来ても、お客様からすると「可もなく不可もない」と言う意味合いであり、他に魅力的な所があればそちらに行ってしまいます。

 

4.「大満足」の時だけリピートオーダーが入ってくる

衝撃的な事実として、「やや満足」と答えたお客さまの95%以上がリピートしない可能性があります。
お客さまに「大満足」して貰わなければならないことになります。しかし、「大満足」してもらえれば、急激にリピートオーダーが入って来ます。紹介が増えて来ます。

目指すのは、お客さまに「大満足」していただくことである事が分かります。

 

5.事前期待を把握する事の重要性

ここで、再度、顧客満足度の定義を見てみると、事前期待がベースにあって、それを上回る事で満足度が上がります。

事前期待を把握することで、CS向上のためには何を重視してサービスを提供すべきかが見えてきます。

例えば平日のお昼に急いで入った定食屋のサービスをイメージしてください。ここでの事前期待は「おいしい料理が食べたい」よりも「早く料理を出してほしい」の方がCS向上には重要な事前期待ではないでしょうか。これがわかると定食屋さんはお昼時はなるべく待たせないで料理を出す事に集中してサービスの改善を行うことができます。

これが、事前期待を意識しないでサービス改善について議論を始めてしまうと、「おいしい料理」も「早く出すこと」も「お昼くらいゆっくりしてもらう事」も全て大切だと言うことになり、結局サービス改善の方向性が定まらないままに様々な改善活動を行ったり、現場任せになってしまうということがよくあります。

また事前期待を把握していないので、事前期待から外れたサービスを一生懸命提供してしまう恐れもあります。

この事前期待から外れたサービスは、もはやサービスではなく「余計なお世話」や「無意味行為」「迷惑行為」でしかなく、いくらがんばっても効果がない、悪い場合には不満が膨らむといった結果になりかねません。

お客様には様々なタイプの方がいるにもかかわらず、それをすべて十把一からげにしてお客様としてのみ定義しています。もしくはお客様の年齢や性別、職業や家族構成などの属性情報で定義しています。

 

6.事前期待の視点でお客さまを決める

たとえば60歳男性サラリーマンに喜んで頂くためにはどうしたら良いか?と言われても、現場では具体的に何をしたら良いか浮かび上がってきません。
そこで事前期待の視点でお客様を定義することが極めて有効となります。

例えば保険の加入相談窓口での対応の例に挙げてみましょう。
保険の加入相談にやってくるお客様には、例えば以下のような事前期待のタイプがあります。

☆1つ目は保険の内容についてです(できるだけ安心な保険に入りたい)のかそれとも(そこそこの安心の保険でよい)のか。

☆2つ目は予算感です。納得できれば高くても良いのか、それともできるだけ安い保険に入りたいのか。

☆そして3つ目は相談の進め方についてです。保険は複雑で考えるのが面倒なのでスタッフにお勧めしてほしいのか。それとも保険は複雑だけども騙されたくないので自分で納得して決めたいのか。

このように事前期待のタイプを意識して、相談に来たお客様がどのタイプになるのかを質問により絞り込んで行くことも有効なアプローチになります。

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